【介護職】高齢者施設と何が違う?障がい者施設の仕事内容と働き方
2022.09.09掲載
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お役立ち情報

介護員の勤務先の1つである障がい者施設。
高齢者施設とはなにが違うのでしょうか。


具体的な業務内容や働くメリットをご紹介します。

介護員・生活支援の仕事内容について

介護員や生活支援としての仕事内容は、障がいのある方が自立した生活を送れるように支援することです。

具体的な仕事内容としては、介護や支援、相談などのサービスを提供することが挙げられますが、いずれも自立した生活を送れるようにサポートする重要な仕事です。

障がい者施設は、利用者の障がいの状態や居住環境、希望している生活内容に合わせて様々な障害福祉サービスの種類があるので、職場によって仕事内容や求められるスキルも変わってきます。

障がい者施設の介護職員や生活支援員は、着替えや外出、食事などをはじめ、社会生活への参加支援などの必要な介護を提供しています。

 

障がい者支援施設について

障がい者支援施設とは、障がいのある方を対象とした入所型施設です。

主に自宅での生活が難しく、介護や支援を必要としている方の介助を行っており、仕事内容は身体障がいや知的障がいなど抱えている障がいの種類によって異なります。

入所の対象となるのは、障害者程度区分が4以上の方、50歳以上なら程度区分が3以上の方となっていますが、上記に該当しない場合でも個別的事情を勘案した上で入所できるケースがあります。

施設では、一般的な介護施設で行うような食事や睡眠などの基本的な生活のサポートに加え、日中は施設内などで自立訓練や就労支援も行い自立した生活を送れるように支援している施設が多いです。

障がい者支援施設と一口に言っても、入所対象が障害によって分けられている施設もあるので、仕事内容や各施設によって異なるのが特徴です。

障がい者支援施設で働く場合は入所している方の特徴や障がいの度合いなどに応じて、必要な支援が求められてくると言えるでしょう。

 

障がい者グループホーム

障がい者グループホームとは、障がい者支援施設とは異なり障害のある方に「共同生活」してもらうための施設で、提供するサービスの内容によって下記の3種類に分けられています。

障がい者グループホームの種類
  • 介護サービス包括型:夜間や休日に介護を必要としている方に介護サービスを提供
  • 日中活動サービス支援型:短期入所施設を併設していたり、日中の活動を支援する
  • 外部サービス利用型:夜間や休日の相談対応や日常生活の支援を行い、一部の介護サービスは外部事業所へ委託している

障がい者グループホームでは入浴や食事などの生活支援に加えて、その他日常での支援を行っています。

夜間にサービスを提供するケースも多く、日中のケアは夜間と別契約という形態で利用者の支援をしているグループホームが多い点が特徴です。

障がい者グループホームでは、知的障がいや精神疾患を抱えている方を対象としており、将来的に自立した生活が送れるように支援しています。

 

障害者グループホームでの介護員の仕事内容

障がい者グループホームのスタッフは、主に施設の管理者とサービス責任提供者が、サービスを提供しています。

なお、「サービス管理責任者は利用者30人に対して1人」「世話人は利用者6人に対して1人」などの配置基準が決まっている点も特徴です。

高齢者施設では、介護サービスを提供しているスタッフを「介護員」「介護スタッフ」と呼ぶことが多いですが、障がい者グループホームでは「世話人」と呼ぶことが多いです。

世話人は実際に介護サービスを提供するので、グループホームの入居者が快適に生活するために欠かせない存在と言えるでしょう。

入居者が自立した生活を送るための生活介助や、相談対応をすることも重要な仕事です。

 

知的障がい者施設での仕事スタイル

知的障がい者施設とは、障がい者支援施設でも知的障がいのある方を対象としている障がい者施設です。

身体介護ではなく生活支援がメイン業務となるので、高齢者介護施設や身体障がい者施設よりも体力的に楽という特徴があります。

なお、生活支援の主な内容としては

  • 生活の見守り
  • 排泄介助
  • 食事介助
  • 入浴介助
  • 服薬介助
  • バイタルチェック
  • レクリエーション

などが挙げられます。

入所者の一日の予定にはゆとりが設けられており、余暇時間も多い点も特徴的です。

 

 

持っておくと役立つ資格

障がい者施設や生活支援員として働く際に役立つ資格を紹介していきます。

 

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修とは、介護関連の資格の中でも最も取得しやすい資格です。

介護の基本的な知識やスキルが習得でき、スクールで130時間の研修を受講した上で修了試験に合格すれば資格を取得できます。

介護に関連する様々な職場で活用できるので、「まず何か資格が欲しい」という方におすすめできます。

介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修は、後述する介護福祉士資格を取得するために必要な資格です。

介護職員初任者研修の上位資格にあたり、初任者研修よりも質の高い介護サービスを提供するべく、痰吸引と経管栄養が学べるなど実践的な知識と技術を習得できます。

また、2019年4月から介護施設においてサービス提供責任者になるためには、実務者研修の修了か介護福祉士の資格が必要となったので、介護業界でキャリアアップを目指したい方であれば必須の資格と言えるでしょう。

介護福祉士

介護福祉士は「ケアワーカー」と呼ばれることもある難関の国家資格です。

介護福祉に関連した専門知識と技術を活かして、サービス利用者様のケアだけでなく現場スタッフの指導や育成を行うことも重要な役割です。

学ぶ項目の中に「障がいの理解」が含まれているので、介護施設だけではなく障がい者施設で働く際にも活かせるでしょう。

また、社会保険制度や介護保険制度にも精通できるので、福祉関連の職場で働く際には役立つ場面が多い資格です。

社会福祉士

社会福祉士は「ソーシャルワーカー」とも呼ばれており、高齢者や障がい者だけでなく、生活困窮者などの相談業務などを行っています。

社会福祉全般の職務に携わっており、社会保険制度や地域福祉などを専門的に学ぶので、障がい者施設や児童福祉など、活躍のフィールドは広いです。

高齢者や子ども、障害者の方などを相手にするので、福祉関連の職場に就職する際には保湯しておくと役立つ資格です。

精神保健福祉士

精神保健福祉士は、精神疾患を抱えている方の社会復帰をサポートするための専門資格です。

精神障がいを抱えている方(家族を含む)と相談したり、生活支援や社会復帰・参加へのサポートを行っています。

近年は精神疾患を抱えている患者数が増えているので活躍の場も増えていますが、対応が簡単ではない人のサポートを行うので簡単な仕事ではありません。

障がい者施設などで勤務しており、ある程度の経験がある方にとっては非常に価値のある資格となるので、取得を目指してみると良いでしょう。