障害者雇用の面接ではどんなことを聞かれる?質問と回答例
2022.03.18掲載
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お役立ち情報

「障害者雇用枠で応募したが、面接時にどんな質問をされるの?」
「面接対策は、どんな準備をすればいいの?」

弊社でもご相談が一番多い面接対策。今回は、障害者雇用枠での面接でどんなことを質問されるのかをまとめていきます。障害者雇用では障害についても聞かれますので、きちんと説明できるように、しっかり練習して面接に臨みましょう。

 

一般雇用枠と共通の質問内容

まずは一般枠・障害者雇用枠どちらも共通して聞かれる質問の解説です。

 

自己PR

自己PRでは自己分析の段階で出てきた「あなた自身」を答えましょう。
もし自分の特性が分からない場合は、無料で公開されている自己診断やエニアグラム診断を受けましょう。

 

志望動機

志望動機は高確率で聞かれる質問です。下記に留意して、話に一貫性を持たせるようにしましょう。

  • なぜこの会社を選んだのか
  • この会社で何をしたいのか
  • どんな貢献ができるか

前職での実績や経験と、応募する会社に共通点があれば、内容に盛り込みます。
共通点を探すにあたり、「社風や業務内容」「会社の強みや特徴」を把握することが必要です。

しっかり企業分析を行い、自分が貢献できる点を見つけるようにすると作成しやすくなります。

 

職歴

シンプルに分かりやすくまとめて伝えるようにしましょう。

  • どのような業務を担当したのか
  • 業務の経験を通して何ができるようになったのか
  • 今後どのように生かせるのか

経験業務を具体的に伝え、面接官が「こんな仕事を任せられそうだ」とイメージできるように説明しましょう。

 

自分の強み・弱み(長所・短所)

応募者が自身のことを客観的にとらえられているか、自社の社風に合う人物かを確認するための質問です。
過去の「成功体験」「失敗体験」を思い返し、「なぜ成功したのか」「仕事をする中で、やりづらく感じたことはあるか」と理由を考えてみると、自分の強みや足りないものが見えてきます。

 

周りからどんな人だと言われるか

自己評価と他己評価のズレが生じていないかを把握するための質問です。

企業は応募書類に書かれた自己分析・自己PRを参考に、どんな人なのかを見極めます。しかし、その人の内面を知るためには、紙に書かれた情報だけでは不十分でしょう。どんな人と言われるかを聞くことで、提出された自己分析や自己PRと周囲の評価にズレがないか、一貫性があるか確認しています。

 

目標やビジョン

「あなたの自主性やエネルギー量」を判断するための質問です。

例えば、あなたが面接官だった場合、「目標を抱かず、与えられた業務をこなす受動的な人材」と、「夢や目標を抱き、仕事を通じてそれを実現しようと励む人材」のどちらを採用したいと考えるでしょうか。おそらく後者ですよね。

企業側は、目標を質問することで「あなたが自ら目標を設定し、自主的・能動的に動ける人材かどうか」を判断したいと考えています。

 

障害者雇用枠での質問内容

障害者枠の採用面接では、「就労準備性」を重視されています。

就労準備性とは、職業に就く人たちに共通して求められる基本的な要件のこと。具体的には、以下のようなことです。

  • 障害のことを自分できちんと理解し、自分で通院や服薬ができる
  • 障害の状態が悪化した場合、自分で医師などに相談できる
  • 規則正しい生活習慣が身についている
  • 身辺処理の自立ができている
  • サポートが必要なときに他の人に助けを求めることができる
  • 1人で通勤できる
  • 就業時間中、安定して仕事に取り組める

 

障がいについてと自身で対処できること

障害についての情報は、会社がもっとも知りたがっている内容なので、正確かつ具体的に伝えることが大切です。「〇〇に障害があります」とはっきりと伝えましょう。

自分にできることとできないことを明確にして話します。例えば、聴覚障害の方の場合、「相手の口元を見ながらの口話はできるが、電話応対は難しい」と伝えれば、面接官はその人が働く姿のイメージが湧きやすいでしょう。
障害に関して詳しく知らない面接官も少なくありませんので、わかりやすく伝えることを意識してください。

 

<回答例>うつ病の場合

うつ病です。特性としては、季節の変化がある時期や気圧が下がる日に頭痛が出たり、身体が鉛のように動かなくなったりすることがあります。現在は服薬で症状が安定しており、主治医からも1日8時間程度の勤務は問題ないと診断をいただいております。

 

発症時期と、発症のきっかけ

特に精神障害の場合は、発症時期やきっかけを質問されることがあります。発症当時のストレス因子を理解し、どういうタイミングで症状が出るのかを把握するためです。

詳しく伝えるのが難しい場合はすべて伝える必要はありませんが、伝えられる範囲で回答しましょう。

 

<回答例>うつ病の場合

2015年頃、残業が多く毎日深夜まで仕事していたことがきっかけで不眠の症状が出始めました。1日2時間程度で目が覚め、寝付けないことが多くなり、精神科を受診したところうつ病と診断を受けました。

 

配慮事項について

どんな配慮があれば会社に貢献出来るのか、という点を具体的に伝えられると企業側も安心感を得ることが出来るでしょう。

 

<回答例>

  • 月に●回●曜日に通院する必要があるため、お休みをいただきたい
  • 昼休みとして決められた時間以外に複数に分けて休憩をいただきたい
  • 聴覚過敏があるため、業務中耳栓を使いたい
  • 体調不良になる予兆は把握出来るため、そういった際には事前に相談し時差通勤をさせてほしい

 

通院の有無、頻度

フルタイムの募集の場合は月どのくらい休みが発生するのか、シフト制の場合はどのくらいシフトに入れるのかを把握したいという意図があります。

もし求人が土日祝日休みの場合、通院は土曜日にできる等があればその旨も伝えたほうがよいでしょう。

 

<回答例>

通院は毎月1回、現在は2週目の水曜日に通院をしています。

土曜日に変更もできますので、通院に関してはお休みをいただくことはありません。

 

症状が悪化するときはどのようなサインがありますか?

同じ診断名でも、人によりサインが異なります。企業としては、そのサインを把握した上で、症状を悪化させないためのフォロー体制を用意しておきたいという意図のもとに行われる質問です。正直に話しましょう。
そのためには、事前に話す内容を整理しておくことがポイントです。

<回答例>

疲れが溜まってくると目が充血することがあります。いつもと違う様子だなと気づかれたら、声をかけていただいたり、お話していただけると助かります。

 

 

さいごに

あなたが新しい職場に不安があるのと同様に、会社側も、就業してもらうことに対してどういった環境を整える必要があるのか考えています。たとえ不安材料があったとしても、きちんと伝えることで対策を講じることができます。採用した際に、会社と本人のミスマッチを防ぐという目的があってのことです。

安心して働いていくためには、伝えるべきことは遠慮せずに伝えるのが非常に大事です。ぜひ、参考にして就職活動に役立ててください。

弊社では面接対策も行っています。

就職活動で不安なことがありましたら、いつでもご相談ください。